当サイトはハピタスの友達紹介リンク・アフィリエイトリンクを利用しています。

法人化を検討する
タイミング

先に結論を書きます。「所得◯万円を超えたら法人化が得」という線は、このページでは出しません。出せないからです。個人と法人では、かかる税金の種類そのものが違い、税金以外の固定費も増えます。このページは、税理士に相談するときに持っていく数字をそろえるためのページです。

所得税率と法人税率だけを並べて「この所得なら法人が安い」と書いている記事がありますが、それでは足りません。下に挙げるものが全部関係します。当サイトでは有利不利を判定しません。金額に関わる判断は税理士にご確認ください。

何が関係するか(最低限これだけある)

 個人事業のまま法人にした場合
所得にかかる税所得税(5〜45%の段階)法人税(資本金1億円以下の普通法人は年800万円以下15%/超える部分23.20%)
住民税(所得割ほか)地方法人税(法人税額に10.3%)
事業にかかる地方税個人事業税(法定業種のみ。事業主控除290万円を引いた額に3〜5%)法人事業税・特別法人事業税/法人住民税(法人税割)
赤字でもかかるものなし(所得がなければ所得課税は生じません)法人住民税の均等割。資本金等の額と従業者数で決まり、赤字でも課税されます
社会保険国民健康保険・国民年金(従業員5人以上などで扱いが変わります)強制適用。一人法人でも加入。会社負担分と本人負担分の両方が出ていきます
自分への給与ありません(事業の利益がそのまま所得)役員報酬。金額の決め方に制約があり、期中に自由に変えられません
維持費会計ソフト代など設立費用(登記)、決算・申告の費用(税理士報酬など)、法人用の口座・印鑑など

出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」「No.5759 法人税の税率」「地方法人税の税率の改正のお知らせ」/東京都主税局「個人事業税」/総務省「法人住民税」/日本年金機構「適用事業所と被保険者」。いずれも2026年9月10日確認。地方税の税率・均等割の金額は自治体によって異なります。お住まい・所在地の自治体でご確認ください。

数字を見る前に、性質を押さえる

①個人の所得税は、所得が増えるほど税率が上がります(1,000円〜1,949,000円が5%、9,000,000円〜17,999,999円が33%、40,000,000円以上が45%。国税庁 No.2260)。
②法人税は所得の大きさで大きく変わりません(年800万円以下15%、超える部分23.20%)。
③だから所得が大きくなるほど、比較する意味が出てきます。ただし②の法人には、赤字でも均等割がかかり、社会保険料と維持費が上乗せされます。税率の差だけでは判断できないのはこのためです。

消費税は「法人化の線」ではなく「消費税の線」

国税庁「No.6501 納税義務の免除」より
・課税期間の基準期間における課税売上高が1,000万円以下である場合には、原則として、納税義務が免除されます
特定期間における課税売上高が1,000万円を超える場合には、基準期間の課税売上高が1,000万円以下でも納税義務は免除されません(給与等支払額の合計額により判定することもできます)
適格請求書発行事業者(インボイス)の登録を受けている場合には、納税義務は免除されません

売上1,000万円は、消費税の判定ラインであって法人化のラインではありません。ここを混同している記事が多いところです。すでにインボイス登録をしている場合は、売上にかかわらず課税事業者なので、この観点での法人化の動機は小さくなります。

社会保険は、法人にすると選べません

日本年金機構「強制適用事業所」より
株式会社などの法人の事業所(事業主のみの場合を含む)は強制適用事業所となります。個人の事業所は、常時5人以上の従業員がいる場合(農林漁業・サービス業などを除く)に適用事業所となります。

一人法人でも加入は義務です。保険料は会社と本人で折半しますが、一人法人ではどちらも自分が出すことになります。ただし厚生年金に入ること自体は将来の年金額につながるため、負担とだけ捉える必要はありません。ここは損得の計算に必ず入れてください。

税理士に相談するときに用意する数字(チェックリスト)

この表が埋まっていれば、初回相談で試算まで進めます。埋まっていないと、次回持ち越しになります。

用意するものどこで分かるか
直近2〜3年の売上と所得(できれば3年)確定申告書と青色申告決算書
課税される所得金額確定申告書
基準期間(2期前)の課税売上高同上。消費税の判定に使います
特定期間の課税売上高または給与等支払額同上
インボイス登録の有無登録通知
いま払っている国民健康保険料・国民年金保険料の年額納付書・通知書。法人の社会保険料と比べるために必要です
個人事業税を払っているか、年額はいくらか都道府県からの納税通知書
生活に必要な月額(役員報酬をいくらにするかの前提)家計。ここが決まらないと試算できません
家族に給与を払う予定があるか
今後2〜3年の売上の見込みと、その根拠継続契約・取引先の数など
設立予定地(自治体)均等割や超過税率が自治体で異なるため
取引先から法人格を求められているか契約書・取引条件

法人化しないという選択

法人は、作るより畳むほうが手間もお金もかかります。迷っている段階では作らない、が安全側です。

次に取る行動

  1. 上のチェックリストの数字を1枚にまとめる
  2. 自分の業種が個人事業税の法定業種に当たるか、都道府県のページで確認する
  3. 設立予定の自治体の均等割の金額を確認する
  4. その1枚を持って、税理士の初回相談に行く(制度の確認だけなら税務署でもできます)

次に読む

出典:国税庁「No.2260 所得税の税率」「No.5759 法人税の税率」「No.6501 納税義務の免除」「地方法人税の税率の改正のお知らせ」/東京都主税局「個人事業税」「法人事業税・法人都民税」/総務省「法人住民税」/日本年金機構「適用事業所と被保険者」。最終確認日:2026年9月10日。地方税は自治体によって異なります。このページは税務の助言ではありません。