家事按分のやり方
結論:割合は「何割までOK」で決まっていません。決まっているのは「区分できる部分に限る」という条件です。だから先に必要なのは割合ではなく、区分の根拠です。
条文の読み方
国税庁「No.2210 必要経費の知識」より
家事上と業務上の両方にかかわりがある費用(家事関連費)について、
「この家事関連費のうち必要経費になるのは、取引の記録などに基づいて、業務遂行上直接必要であったことが明らかに区分できる場合のその区分できる金額に限られます。」
出典:国税庁「No.2210」(2026年9月10日確認)。例として、店舗併用住宅に係る費用(租税公課、家賃、水道光熱費など)が挙げられています。
ポイントは「取引の記録などに基づいて」「明らかに区分できる」の2つです。感覚で7割、は根拠になりません。
区分の根拠として使われる考え方
| 費用 | 区分の根拠になり得るもの | 記録しておくこと |
|---|---|---|
| 家賃 | 業務に使う面積 ÷ 総面積 | 間取り図に、業務スペースを書き込んで残す |
| 電気代 | 業務スペースの面積比、または使用時間 | 1日の作業時間の記録 |
| 通信費(ネット・携帯) | 業務での使用時間の割合 | 1〜2週間、実際の使用状況を記録して根拠にする |
| 車(ガソリン・保険・車検) | 業務での走行距離 ÷ 総走行距離 | 走行記録(日付・行き先・距離) |
どの方法が認められるかは、業務の実態によります。当サイトでは「◯割まで大丈夫」とは書きません。迷う場合は税務署または税理士にご確認ください。ここは電話で聞ける範囲の質問です。
やり方(4ステップ)
1. 対象になる費用を書き出す(家賃・電気・通信・車など)
2. 費用ごとに区分の方法を決める(面積・時間・距離)
3. その根拠を1枚のメモにして残す(間取り図、使用時間の記録など)
4. 毎月、同じ割合で計上する。途中で変えたときは、変えた理由も残す
3を作っておくと、あとから聞かれても答えられます。逆に、これがないと割合の説明ができません。
賃貸と持ち家
- 賃貸:家賃のうち区分できる部分
- 持ち家:家賃という支出がないため、考え方が変わります(減価償却や固定資産税など)。住宅ローン控除との関係もあるため、税理士に確認してください
会計ソフトでの入力
多くのソフトに家事按分の入力機能があります。全額を入力してから按分率を設定する形が一般的です。手順は各ソフトのヘルプにあります → 会計ソフトの選び方
次に取る行動
- 間取り図に業務スペースを書き込む(今日できます)
- 通信費は2週間の使用状況を記録して、割合の根拠にする
- 決めた割合と根拠を1枚のメモにまとめて保存する
- 会計ソフトの家事按分の設定を確認する
次に読む
出典:国税庁「No.2210 必要経費の知識」。最終確認日:2026年9月10日。このページは税務の助言ではありません。按分の方法と割合は、業務の実態により異なります。税務署または税理士にご確認ください。