電子取引データの保存
結論:メールやWebで受け取った請求書・領収書は、印刷して原本のデータを消す、ができません。データのまま保存する必要があります。ただし、要件を全部そろえられなくても救済があります。知らずに消してしまうのがいちばん困るので、先に読んでください。
何が対象か
国税庁の特設サイトには、こうあります。
「取引に関する書類に通常記載される情報(取引情報)を含む電子データをやり取りした場合の、当該データに関する保存義務やその保存方法等についても同法により定められていますので、所得税法・法人税法上の保存義務者となる方は、特に「電子取引」についてご確認ください。」
| よくある例 | 扱い |
|---|---|
| メールに添付されたPDFの請求書・領収書 | 対象。データのまま保存 |
| ネット通販の購入履歴からダウンロードした領収書 | 対象 |
| クラウドサービスの利用料の領収データ | 対象 |
| 紙で受け取った領収書 | 電子取引ではありません(従来どおり紙で保存) |
| 自分が送った請求書の控え(メール送付) | 対象 → 請求書の書き方 |
満たすべき要件(国税庁のパンフレットより)
【可視性の確保】
①モニター・操作説明書等の備付け
②検索要件の充足(日付・金額・取引先で検索できる)
ただし、「2課税年度前の売上高が5,000万円以下の方」、または「電子取引データをプリントアウトして日付及び取引先ごとに整理されている方」は、電子取引データの「ダウンロードの求め」に応じることができるようにしていれば、②の要件は不要
【真実性の確保】
専用システムがなくても、「不当な訂正削除の防止に関する事務処理規程を制定し、遵守する」ことで満たせます(規程のサンプルが国税庁サイトにあります)
出典:国税庁「令和6年1月からの電子取引データの保存方法」(令和5年12月・2026年9月10日確認)
準備が間に合わない場合(猶予措置)
同パンフレットより。次の⑴と⑵を満たす場合は、電子取引データを保存しておくだけで大丈夫とされています。
⑴ 一定のルールに従って保存できなかったことについて、所轄税務署長が相当の理由があると認める場合(事前申請等は不要)
⑵ 税務調査等の際に、データのダウンロードの求めとプリントアウトした書面の提示・提出の求めに、それぞれ応じることができるようにしている場合
ただし、これは「保存しなくてよい」ではありません。データを消さずに保存することは必要です。また「令和4年度税制改正で措置された宥恕措置は、適用期限(令和5年12月31日)をもって廃止」とされています。
現実的な運用(3ステップ)
1. 保存先のフォルダを1つ決める(クラウドでもPCでも)
2. ファイル名を「日付_取引先_金額」で統一する(例:20260910_○○社_110000)
3. 受け取ったらすぐそこに入れる。印刷しても、元のデータは消さない
これだけで、検索の要件はほぼ満たせます。会計ソフトに保存機能があるなら、そちらでも構いません → 会計ソフトの選び方
保存期間
保存期間は「帳簿か書類か」で分かれます。青色申告は帳簿・決算関係書類・現金預金取引等関係書類が7年、その他の書類(請求書・見積書・契約書・納品書など)が5年。白色申告は法定帳簿(収入金額や必要経費を記載した帳簿)が7年、任意帳簿と書類が5年です(→ 保存期間の一覧)。
次に取る行動
- いま使っているメールを検索して、PDFの請求書・領収書を1か所に集める
- ファイル名の付け方を「日付_取引先_金額」に決める
- 事務処理規程のサンプルを国税庁サイトで確認する(システムがない場合)
- 印刷したあとに元データを消す運用をやめる
次に読む
出典:国税庁「電子帳簿等保存制度特設サイト」/同「令和6年1月からの電子取引データの保存方法」。最終確認日:2026年9月10日。このページは税務の助言ではありません。個別の判断は税務署にご確認ください。