副業禁止の会社から
転職する前に確認すること
結論:転職を決める前に、就業規則の副業の条項を実際に読んでください。「禁止」だと思っていたら届出制だった、禁止の範囲が競業に限られていた、という例があります。転職には他の条件(年収・通勤・仕事内容)も付いてきます。副業の可否だけで決めると後悔しやすくなります。
国が示している考え方
厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン」より
副業・兼業に関する裁判例では、労働者が労働時間以外の時間をどのように利用するかは、基本的には労働者の自由であり、各企業においてそれを制限することが許されるのは、例えば、
①労務提供上の支障がある場合
②業務上の秘密が漏洩する場合
③競業により自社の利益が害される場合
④自社の名誉や信用を損なう行為や信頼関係を破壊する行為がある場合
に該当する場合と解されている。
厚生労働省のモデル就業規則 第68条は「労働者は、勤務時間外において、他の会社等の業務に従事することができる。」としています。
就業規則で確認する3点
| 確認 | 見方 |
|---|---|
| ①禁止なのか、届出制・許可制なのか | ここが最重要。「届け出ること」「許可を得ること」なら、手続きの問題です |
| ②禁止される範囲 | 「競業」「同業他社」に限定されていることがあります。全面禁止とは限りません |
| ③違反したときの定め | 懲戒の規定があるか |
就業規則は、労働者が見られる状態に置かれているのが原則です。手元になければ、社内のイントラや人事に確認してください。
読んだ結果ごとの分岐
| 就業規則の記載 | 次にすること |
|---|---|
| 届出制・許可制 | どういう副業なら通るのかを確認して、届け出る。転職の必要はありません → 届出と労働時間の通算 |
| 競業のみ禁止 | 競業に当たらない副業を選ぶ。判断に迷うなら人事に確認 |
| 記載がない | 不可とは限りません。規定自体がないこともあります。人事に確認 |
| 全面禁止 | ここで初めて①副業をしない ②転職を検討するの二択になります |
転職を検討する人と、副業をあきらめない人の違い
| 転職の検討に入る人 | いまの会社に残る人 |
|---|---|
| 全面禁止で、かつ年収や労働時間にも不満がある | 副業は不可だが、他の条件には満足している |
| 副業でやりたいことが明確(独立を前提にしている) | 副業でやりたいことがまだ固まっていない |
| 転職先の候補で、条件が改善する見込みがある | 改善する見込みが読めない |
「副業ができないこと」以外に不満がないなら、転職の理由としては弱くなります。
具体的な判断例
例A:規則には「許可を得ること」とあった
禁止ではありません。どういう内容なら許可されるかを確認して申請する。転職の検討に入る前の段階です。
例B:全面禁止・年収は相場並み・残業は少ない
転職すると、副業はできるようになるかもしれませんが、残業が増えて副業の時間がなくなる可能性もあります。→ 副業向きの会社の見分け方で、労働時間まで含めて見てください。
例C:全面禁止・残業が多い・給与も数年上がっていない
副業の可否以外にも理由があります。この場合は転職の検討に入る合理性があります → どちらを先にするか
黙って副業を始める前に
当サイトは「バレなければよい」という書き方をしません。就業規則に違反した場合、懲戒の対象になり得ます。また住民税や社会保険の経路から勤務先に伝わり得ます → 確定申告が必要になるライン
就業規則の解釈に迷う場合は、勤務先に確認するか、労働問題に詳しい専門家にご相談ください。当サイトでは個別の判断はできません。
転職しない、副業もしない、という選択
副業ができないことが不満の中心なら、その副業で本当に収入が作れるのかを先に確かめるほうが順番として自然です。使える時間が週に数時間しかないなら、転職しても状況は変わりません。→ 原因の切り分け
次に取る行動
- 就業規則の副業の条項を探して読む(イントラ・人事)
- 禁止か届出制かを判定する
- 届出制なら、通る条件を確認して申請する
- 全面禁止なら、副業以外の不満も書き出してから転職を検討する
次に読む
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出典:厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン わかりやすい解説」(モデル就業規則第68条、裁判例の考え方)。最終確認日:2026年9月10日。このページは労務の助言ではありません。適用されるのは自社の就業規則です。