転職後すぐに
副業を始めてもよいか
結論:法律で「入社◯か月は副業禁止」と決まっているわけではありません。ただし①就業規則の届出 ②労働時間の通算 ③現実的な余力の3点を確認してください。実務的には、本業が回るようになってからのほうが失敗しにくいです。
①就業規則の手続き
厚生労働省のモデル就業規則は、勤務時間外に他社等の業務に従事できるとしたうえで、会社は労働者からの届出に基づき、次のいずれかに当たる場合は禁止・制限できるとしています。
- 労務提供上の支障がある場合
- 企業秘密が漏洩する場合
- 会社の名誉や信用を損なう行為、信頼関係を破壊する行為がある場合
- 競業により、企業の利益を害する場合
届出制なら、届け出るのが前提です。「入社直後だから黙っておく」は、あとで問題になり得ます → 就業規則の確認の仕方
②労働時間は通算される(雇われる副業の場合)
労働基準法 第38条
労働時間は、事業場を異にする場合においても、労働時間に関する規定の適用については通算する。
※厚生労働省の解説では、この「事業場を異にする場合」には事業主を異にする場合も含むとされています(昭和23年5月14日基発第769号)。
| 副業の形 | 労働時間の通算 | 当サイトでの扱い |
|---|---|---|
| 他社に雇われる(アルバイト等) | 通算される | 本業の残業時間と合わせて上限に影響します |
| 自分で事業を行う(請負・業務委託) | 通算の対象外 | 当サイトが主に扱っているのはこちら → 開業届 |
③現実的な余力
転職直後は、いちばん体力を使う時期です。新しい業務、人間関係、通勤の変化。ここに副業を重ねると、どちらも中途半端になりがちです。
現実的な順番
1. 転職先の就業規則で副業の扱いを確認する(入社時の書類にあります)
2. 本業が回るようになるまで待つ(試用期間の有無も確認)
3. 届出が必要なら届け出る
4. 小さく始める → 副業を始めるときに最初にやること
すぐ始める人と、待つ人の違い
| すぐ始めてよい状況 | 待ったほうがよい状況 |
|---|---|
| すでに継続中の仕事がある(転職前から受けている) | これから新しく始める |
| 届出を済ませている、または規定上不要 | 届出が必要なのに出していない |
| 本業が定時で終わる見込みが立っている | 試用期間中/業務の見通しが立たない |
| 自分で事業を行う形(時間の通算がない) | 他社に雇われる形(時間が通算される) |
具体的な判断例
例A:転職前から続けている業務委託の仕事がある
止める必要があるとは限りませんが、新しい勤務先の就業規則を確認し、届出が必要なら出す。競業に当たらないかも確認します。
雇用保険・社会保険の注意
厚生労働省のガイドラインには、「1週間の所定労働時間が短い業務を複数行う場合に、雇用保険等の適用がない場合があることに留意が必要である」との記載があります。2か所で社会保険の加入要件を満たす場合は届出が必要になります。個別の判断は年金事務所やハローワークにご確認ください。
入社前に確認しておけると早い
副業の可否は、内定後・入社前に確認できます。就業規則の該当箇所を見せてもらう、あるいは人事に聞く。入社してから「実は不可だった」と分かるのがいちばん困ります → 見分け方
次に取る行動
- 入社時の書類から就業規則の副業の条項を探す
- 届出が必要か判定する
- 副業の形(雇われる/自分で事業)を決める
- 本業の型が見えてから、小さく始める
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出典:e-Gov法令検索「労働基準法」第38条/厚生労働省「副業・兼業の促進に関するガイドライン わかりやすい解説」。最終確認日:2026年9月10日。このページは労務の助言ではありません。